タンパク質や核酸などの巨大生体分子の立体構造解析は、生命現象を理解するために、また合理的医薬品設計やタンパク質工学などの産業利用のためにも、今や欠くことのできない研究手法となっている。タンパク質立体構造データベース(PDB)に登録されている構造情報の多くは放射光施設を利用した結晶解析法で得られたものであり、 放射光を利用した原子分解能の立体構造解析は必要不可欠の研究手法となっている。さらに近年は,X線小角散乱や振動分光法,XAFSや核共鳴散乱などを併用した構造研究も精力的に推進されており,広がりをもった構造生物学研究が展開されている。
こうした背景もあり,放射光施設で対象とする結晶試料の性状は,格子定数,回折分解能,大きさ,X線照射感受性などの点でスペクトルが広く,難結晶性の試料や測定困難な試料も多く含まれる。したがって,ビームラインに求められる性能は試料の多様性と同様幅広い。SPring-8ではJASRIが運用する共用ビームラインだけでなく、理化学研究所や大阪大学蛋白質研究所などが管理運用するビームラインも存在しており,利用研究者の所属機関も大学や民間研究機関など広く産学官にわたっている。
これらの多様な研究環境を有効に活用していくため、2012年度より「創薬等支援技術基盤プラットフォーム」事業が開始された。また、新たな光源であるXFELを活用した研究手法を見据えていくことも重要である。 以上のような構造生物学を取り巻く現状を踏まえ,本研究会はSPring-8と構造生物学研究者を繋ぐ役割を担い、放射光構造生物学のさらなる発展を目指すことを目的とする.
代表者 | 栗栖 源嗣 (大阪大学蛋白質研究所) | |
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副代表者 | 熊坂 崇 (JASRI) | |
幹事 | 菅 倫寛 (岡山大) | SPring-8シンポジウム担当 |
幹事 | 入江 克雅 (和歌山県立医大) | SPring-8シンポジウム担当 |
幹事 | 沼本 修孝 (東京医科歯科大) | 研究会担当 |
幹事 | Jian Yu (大阪大) | 研究会担当 |
幹事 | 坂井 直樹 (JASRI) | 研究会担当 |
幹事 | 水島 恒裕 (兵庫県立大) | SPring-8秋の学校担当 |
幹事 | 村木 則文 (慶應義塾大) | 庶務担当 |
幹事 | 藤原 孝彰 (東北大) | 庶務担当 |
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964名 (産86, 官108, 学452, 国外318), 2017/8/30現在
プログラム
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XFELやCryoEMの目覚ましい進展など構造生物学はまさに大きな転換期を迎えているなか、回折構造生物学も過渡期に突入している。
大型放射光施設SPring-8でも、アップグレード計画が検討されているほか、構造生物学ビームラインでの様々な自動測定技術の発展、新ビームラインBL45XUの稼働、理研のCryoEMの配備といった取り組みが見られる。
本研究会ではSPring-8の最新情報をユーザー共同体で共有し、SPring-8アップグレードに期待することを議論する場としたい。
最後に、SPring-8/SACLAの利用者の方々だけでなく、放射光を用いた構造生物学の関係者の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
ご不明な点等ございましたら、代表者までご連絡ください。