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利用情報 ⇒ タンパク質結晶回折実験用遠隔実験測定システム

はじめに
   タンパク質結晶の回折実験は、自動サンプルチェンジャー等の導入による自動化と検出器の高速化による迅速化が進んでいます。 その結果、1回あたりの実験時間も短くなり、数時間で事足りることも多くなってきました。このため、遠隔地の研究者にとっては、移動など実験以外に多くの時間を取られることが非効率となっています。
   そこで、われわれは理化学研究所・基盤研究部と共同で、遠隔地からインターネット経由でX線回折実験を行う遠隔実験システムの技術開発を進めてきましたが、2011B期より皆様にお使いいただいております。すでに国内の数グループで利用実績があります。利用をご希望の方は下記の問い合わせ先までご連絡ください。
 現段階では利用に際していくつかの制限がありますが、利用実績を積むことで段階的に利便性を高めていく所存ですので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 実施可能ビームライン
・理研ビームライン:BL26B2
遠隔実験システム概要
クライアント-サーバーシステムを採用した遠隔実験環境

   従来からお使いいただいている測定用ソフトウェアBSSは、検出器や自動サンプルチェンジャーなどの各種機器類を一括制御しながら、ユーザーインターフェースを通してユーザーが求める動作を実行する実験環境を提供してきました。 新しいシステムでは機器の制御部分とユーザーインターフェースの部分を分離し、後者をクライアントソフトウェアとして提供します。ユーザーはクライアントソフトウェアを用いてどこからでもSPring-8の機器制御サーバーと接続し、回折実験を行うことができます。




ユーザー認証によるセキュアなシステム

   信頼性の高いシステムとするために、ビームラインへのネットワーク接続にはSSLベースのユーザー認証システムを導入しています。ビームタイムを配分されたユーザーには認証キーとパスワードをお送りします。認証キーは電子ファイル形態で、クライアントソフトウェアと同一のPCにインストールします。接続の際に、これらの情報と課題データベースの情報が照合され、実験可能なユーザーと利用時間・ビームラインの認証を行います。

試料とデータのやり取り

   情報漏えいを防ぐため、測定データは管理されたアカウント別に保存されます。また、試料はあらかじめクライオピンで凍結し、Uni-puckあるいはSPACE trayに格納されたものをビームライン担当者と宅配便でやりとりしていただきます。 測定したデータはネットワーク越しにダウンロードしていただきます。

利用条件
  1. 実験責任者もしくは共同実験者のいずれかが対象ビームラインの操作経験を有すること。
  2. 遠隔で操作する者は、播磨地区放射線障害予防規程で定める放射線業務従事者であること。(※1.)
  3. 遠隔での操作に当たっては、リモート測定に関する安全講習を受講すること。(※2.)
  4. リモート接続・認証、システム操作、試料輸送等の詳細については、遠隔実験に関する手順書や担当者の指示に従って、利用・実施すること。

※1. 外来放射線作業者登録申請時の作業内容を”リモート実験(立入なし)”として申請書にサインの上、ご返送いただいた場合の教育訓練はオンラインにて受講可能です。 なお、後日来所して放射光実験される際には、変更手続きの上、SPring-8サイトでの教育訓練が必要となります。

※2. マニュアル等の資料をお送りいたします。内容を理解していただいた上で教育記録にサインをいただきご返送ください。年度ごとに1回実施いたします。

利用方法
まず、ビームタイム配分のアンケートの際にリモート測定をご希望ください。実験者は事前にリモート測定に関する安全講習を受けていただきます(年1回)。
次に、パスワード等を発行しますので、クライアントソフトウェアをダウンロードしていただき、接続テストを行ってください。
実際の測定に当たっては、事前に凍結試料を送っていただくことになります。

2011年7月26,27日に遠隔測定に関する講習会を以下の通り開催しました。今後は研究会等での実施を計画しています。

http://www.spring8.or.jp/ja/science/meetings/2011/sp8_training_space
お問い合わせ先
タンパク質結晶回折実験用の遠隔実験システムの詳細に関しては、下記のJASRI タンパク質結晶解析推進室 お問い合わせ先までお気軽にお尋ねください。



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